特定行為看護師って何をする人?

 私は、2年前に特定行為研修を修了して、現在、胃瘻交換と気管カニューレ交換の特定行為看護師として活動しています。

 特定行為研修を受けることになったきっかけとして、働いていた職場で特定行為看護師の先輩がおり、その先輩から「特定行為研修にチャレンジしてみない?」と声をかけて頂いたことです。ちょうどそのころ私は「看護師として10年働いた。そろそろ新しいことにチャレンジしてみたい。」「技術や知識を患者さんに提供できるようになりたい。」とも考えており、気持ちとしてもタイミングが合った形でした。しかし、特定行為看護師がどんな役割を担っているかはその時はわかっておらず、研修を受けるか迷いました。

 この記事が「看護師としてスキルアップしたい!」「特定行為看護師って興味があるけど、よくわからない。」といった方の参考になればと思います。

特定行為研修ってどういうもの?

 厚生労働省の特定行為研修制度のポータルサイトでは特定行為研修について以下のように記載されています。

「特定行為に係る看護師の研修制度」は、保健師助産師看護師法に位置付けられた研修制度で、2015年10月から開始されています。
手順書により特定行為を行う場合は、本研修の受講が必要となります。
研修を修了した看護師には、患者さんの状態を見極め、タイムリーな対応をすることなどが期待されています。

https://www.nurse.or.jp/nursing/education/tokuteikenshu/portal/about/

 これだけでは、ちょっとわからない部分もあると思います。まず『手順書』ですが、医師が看護師にその特定行為を行うわせるために作成する文書です。その文書には、患者さんの状態が看護師に特定行為を行わせてもよい状態であるか記載してあるものです。『特定行為』は看護師が行える医療行為のことです。この『特定行為』には、胃瘻交換、気管カニューレの交換、創部ドレーンの抜去などの技術における医療行為や、脱水に対する輸液による補正、感染徴候がある者に対する薬剤の臨時の投与など高度な知識が必要とされる医療行為があります。

 まとめると、特定行為研修を修了することで医師の手順書における指示によって今まで医師が行っていた医療行為を看護師もできるようになるということです。看護師が患者さんの状態を見極め、すぐに医療行為を行えるため、タイムリーな対応ができます。

特定行為研修を受けるための受講資格はあるの?

 特定行為研修を受けるために必要な受講資格としては看護師免許と3~5年の実務経験です。特定行為研修の指定研修機関によっては、上司、施設長の推薦状が必要な場合もあります。私は大学病院で働いていたため、大学に指定研修機関があり推薦状と特定行為研修を受けたい動機を記載した書類を提出しました。

特定行為研修の指定研修機関はどこにあるの?

 特定行為研修の指定研修機関は日本全国にあります。厚生労働省のポータルサイトで検索できますので、興味がある方はこちらをクリックしてください。ちなみに、指定研修機関によって受けられる特定行為が異なります。自分が何の特定行為を行いたいかによって指定研修機関を選択しなければなりません。また、私と一緒に研修を受けていた、他県から来ていた方から聞いた話では、指定研修機関によって実習内容が違うため、実習内容をよく調べてから指定研修機関を選択したそうです。

特定行為にはどんなものがあるの?

 特定行為には、38の行為があり21の特定行為区分に整理されていて、特定行為区分を最小単位として研修が行われます。具体的に言うと、特定行為区分として『ろう孔管理関連』の研修を受けるとすると特定行為『胃ろうカテーテル若しくは腸ろうカテーテル又は胃ろうボタンの交換』『膀胱ろうカテーテルの交換』の勉強をしていきます。説明がなかなか難しく、特定行為区分の種類も多いのでこちらでも確認してみてください。

 また、私が受けた研修は在宅・慢性期領域パッケージといって、その領域に特化して必要と考えられる特定行為がパッケージされた研修を受けました。在宅・慢性期領域パッケージの内容としては、『気管カニューレの交換』、『胃ろうカテーテル若しくは腸ろうカテーテル又は胃ろうボタンの交換』、『褥瘡又は慢性創傷の治療における血流のない壊死組織の除去』、『脱水症状に対する輸液による補正』の研修を受けました。パッケージ研修には6種類あり、在宅・慢性期領域パッケージの他に外科術後病棟管理領域、術中麻酔管理領域、救急領域、外科基本領域、集中治療領域があります。パッケージのメリットは特定行為区分ごとに取得するよりも、パッケージで取得したほうが研修の時間短縮になることや、各領域に特化した特定行為をまとめて取得できることがあげられます。

 ここで注意なのが、前述した特定行為区分の『ろう孔管理関連』の研修を受けるとすると特定行為『胃ろうカテーテル若しくは腸ろうカテーテル又は胃ろうボタンの交換』『膀胱ろうカテーテルの交換』の勉強をするのですが、パッケージでは『膀胱ろうカテーテルの交換』は含まれません。パッケージでは特定行為区分が最小単位ではなく、特定行為が最小単位となりパッケージされているのです。自分がどのように特定行為を行っていくのか想像しながら、特定行為の区分別で研修を受けるのかパッケージで受けるのか選択してもらえればと思います。

まとめ

 ここまで、特定行為研修について説明してきましたが、いかがだったでしょうか。特定行為研修は、今後、高齢化が進み、看護師や医師が減っていく中で重要なスキルとなると思います。必要な受講資格として、最低限看護師免許と経験年数3~5年なのでハードルはそこまで高くはないと思います。ただ、研修を受けるにはお金も体力も必要となってくるので、その点についても次回に説明していきます!

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