「特定行為研修を受けるまではどのような流れなの?」「研修の受けるために、お金はどれくらいかかるのだろう。」など、研修を受けようと考えても不安や疑問があり、一歩が踏み出せない方もいらっしゃると思います。この記事で特定行為研修を受けるまでの流れやお金のことについてお伝えし、一歩を踏み出せる手助けになれればと思います!
特定行為研修を受けるまでの流れ、お金について
何の特定行為研修を受けるか決める
まず、私は自分がどの特定行為の研修を受けたいかを考えました。私は、大学病院の地域派遣制度を利用して、2年間地域の病院で勤務しました。そのときに、地域包括病棟で勤務し、訪問看護の実際を見学させていただくことができました。その経験から、将来訪問看護や地域の病院で働きたい、という思いがあったため、在宅・慢性期領域パッケージの研修を受けようと考えました。皆さんも、今後どのような場所で働きたいか、また、現在働いている場所で必要とされている技術や知識は何かを考えて、どの特定行為研修を受けるかを決めてみるとよいかと思います。
特定行為研修を受ける予定を立てる
研修を受ける特定行為の区分が決定したら、特定行為研修を受ける予定を立ててみることが重要だと思います。私が特定行為研修を受けた指定研修機関は、年2回(4月期と10月期)に募集をかけていました。私が研修を受けた指定研修機関では研修は1年間で予定を組まれました。ただ、在籍期間は2年となっているので指定研修機関の教員と相談しながら2年間で研修の予定を立てることも可能でした。調べてみたところ、申請すれば最長4年在籍期間を延長することができるなど、指定研修機関によって研修期間や延長の制度が異なるようです。厚生労働省のこちらから全国の指定研修機関を調べることができますので確認してみてください。自分の現在の仕事の状況(看護研究を進めており、発表も間近である。チームリーダーとなっており研修を受ける時間が困難である。など)やライフスタイル(結婚、出産を控えている。パートナーがもしかしたら転勤になるかもしれない。など)をふまえて、研修を受ける時期を考えてみましょう。
特定行為研修を受ける時期が定まったら、師長さんへ相談しました。私が勤務している病院では、個人で1年の目標を立てていて、5月、10月、2月に師長さんと面談をし目標の評価をしていたので、10月の面談のタイミングで特定行為研修を受けたいと伝えることができました。特定行為研修は、仕事を継続しながら受ける研修です。そのため、師長さんへ相談することで、係や新人指導、臨床指導、小集団活動などの役割を調整してもらうことができます。また、筆記試験や実習のための勤務調整の交渉をしやすくすることができます。
そして、忘れがちなのが共に暮らしている家族への相談です。研修が開始となると、休日でも1日何時間もe-ラーニングの受講や、レポート作成に追われることになります。実習でも、夜遅くまで研修先の病院に残る必要があったり、実習期間中は1人暮らしが必要になる場合もあります。特定行為研修について家族に相談し、理解をしてもらうとプライベートな部分でも協力が得られると思います。
出願提出書類を準備し、提出する
師長さんに相談したあとに私は、出願提出書類を準備しました。締め切りがあるので、よく確認して余裕をもって準備をしたほうがよいです。私が研修を受けた指定研修機関は、①受講願書②履歴書③志願理由書④所属機関からの推薦書⑤緊急連絡先⑥看護師免許の写し、が必要でした。それらの書類は指定研修機関のホームページから必要書類をダウンロードすることができました。特に早めの準備が必要だったのが、志願理由書でした。自分がなぜ特定行為研修を受けなければならないのか、明確に記載しなければなりませんでした。先輩の特定行為看護師と師長さんに添削をしてもらいながら仕上げたのを覚えています。
私は大学病院勤務でしたので、出願提出書類を師長さんへ提出し、看護部を介してそのまま大学の指定研修機関へ提出することができました。外部の方が書類を提出する場合は、「必ず郵便書留で送付するか、又は直接持参してください。」と出願提出書類の提出方法に指定がありました。各指定研修機関で提出方法の指定があるかもしれないので、確認してみてください。
特定行為研修を受けるためのお金の準備をする
私の場合は出願書類を提出し、1~2週間後に選考結果が届きました。その選考結果の書類には、必要なお金の金額も記載されていました。私が受講した在宅・慢性期領域パッケージに必要な金額は以下の通りでした。
項 目 | 金 額 |
入講料 | 20,000 円 |
共通科目の受講料 | 380,000 円 |
区分別科目の受講料等 在宅・慢性期領域パッケージ | 221,000 円 |
合 計 | 6210,00 円 |
基本的には、入講料と共通科目の受講料はどの区分別科目やパッケージを受けても必要となるお金です。金額が変わってくるのは、区分別科目とパッケージの受講料と実習教材費です。また、指定研修機関によっても金額は変わってきます。私が受けた研修機関だと、40-70万円程度はかかるようです。厚生労働省のこちらから全国の指定研修機関を調べることができますので、自分が入講しようとしている指定研修機関のホームページから必要なお金について調べてみてください。
また、特定行為研修は給付金を使用することができます。人材開発支援助成金と専門実践教育訓練給付制度です。人材開発支援援助金は各都道府県の労働局に申請するようです。私は専門実践教育訓練給付金制度を利用しました。こちらは、自分が住んでいる地域のハローワークでの申請となります。申請後も必要書類の提出が必要となるため、半年おきにハローワークに行かなければなりません。
私の勤務する病院では、特定行為研修にかかる費用を全額負担する代わりに、5年間は勤務をする、といった奨学金のような制度がありました。近いうちに退職や転職を考えていなければ、このような制度を利用することも一つの手だと思います。
まとめ
特定行為研修を受けるまでの流れについて解説してきました。まずは、自分が受講したい特定行為区分についてよく考えることをおすすめします。自分が研修を終了した後、どのように仕事をするのかイメージしながら考えましょう。
また、仕事をしながら研修を受けるため、師長さんや周囲のスタッフ、共に暮らしている家族の理解と協力も必要です。研修がどのようなものか、自分がどのようにして研修を受けるのかを理解してもらい協力を得られるようにしておきましょう。
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